自作の整数問題を解説してみる

問題

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前書き 

 

素数でないことを示す→自分以外の素数で割れることを示すしか(基本的に)方法は無い

主なやり方は①modを取る②因数分解をするです。

今回は見た感じ因数分解が不可能なのでmodを取りたい。例えば「p^2+2が素数となる素数pは存在するか?」というような問題では、とある自然数nを法としてp≡0、p≡1、…p≡n-1の場合分けをして考える。

できれば場合分けを少なくしたいので、まずはn=2とする(つまり偶奇で考える)。

このように、大学受験で出題される「素数かどうかを考える問題」においては法は2、3、4、5、6、7、8、9辺りを用いれば解決できることがほとんどです。

整数の2乗は3で割ると余りが0か1であり、4で割ると余りが0か1であることはあまりにも有名なので頭の隅に置いておくといいでしょう。

また、2以外の素数が全て奇数であることも有名です。「素数は基本的に奇数で、2だけ偶数」と考えるとやりやすいと思います。

 

では、解答です。字が汚いです。すみません。最後に十分性の確認を忘れるともったいないです。忘れないようにしましょう。

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今回の解答に至るまでの思考

さて、今回のような問題を見たときにどのようなことを考えれば良いのでしょうか?答案用紙には書かない思考をまとめてみました。(管理人の文章力不足で少し長くなっていますが…)


上にも書いたように、このタイプの問題では偶奇をまず考えます。p、q、rが全て奇数ならpq+rは偶数となり、2≦pなのでpq+r≦6です。この時点でpq+rは素数では無くなり不可です。

よってp、q、rのどれかが2ですが3つのうちpが最小なのでp=2です。

こうなると問題の条件は「4-2q^2+r^2、2q+r、2r+q、qr-2が素数であること」になります。

もうこれ以上mod2を使って分かることは無いので、次はmod3を使うわけです。ここで「整数の2乗は3で割ると余りが0か1である」ことを用いて「q、rが共に3で割り切れないなら4-2q^2+r^2≡0(mod3)」と分かるわけです。4-2q^2+r^2は素数ですから、これは3です。つまり、r^2-2q^2=-1であることがわかります。実はこれはペル方程式になっており、この式の自然数解は無限に存在します。つまりqとrの値は定まらず、問題も解けません。そこで4-2q^2+r^2ではなく別の数に注目。3を法としてq≡rなら、2q+r≡0となります。(∵qとrの係数の和が2+1=3だから)つまり、q≡rでは無いということです。

よってq≡1かつr≡2、またはq=2かつr=1、またはqとrの一方が3の倍数ということになります(その場合、素数という条件により3に定まります。)ここでr=3ではありません(∵p<q<r)のでこの場合q=3です。

さて、q≡1かつr≡2の場合も、q=2かつr=1の場合もqr-2≡0となります(mod3)。よって条件よりqr-2=3となりますが、qr=5となり不適切です。

よってq=3となります。mod3もこれでお役御免です。

こうなると問題の条件は「r^2-14、6+r、2r+3、3r-2が素数であること」になります。

では次に何を考えるか。mod4を考えてもr≡1の時に「r^2-14、6+r、2r+3、3r-2の4つの数のどれもが4の倍数でない」という状況ができてしまいます。その時点でmod4を使うのは諦めるべきです(これは別にmod4に限った話ではありませんが。)

次にmod5を利用してみよう、となって問題が解ける訳です。

 

結論

結論として、こうした問題に取り組む際は偶奇やmod3など、まずは小さい数を法として考えることが大事です。大学入試の問題は必ず解けるように作問されていることを忘れないようにしましょう。